もったいないと言う概念は、日本人にとって美徳とも言えるものでしょう。このもったいないという精神は、海外へも『MOTTAINAI』という言葉で広まりを見せています。素晴らしい言葉ですし、大切にしていかなければいけないものです。

しかし、その精神を強く持ち過ぎるのか、片付けられない人というのは『もったいない』と言い、物を捨てられない人が多くいるのです。捨てられないというのは、片付けられない人の特徴でもあります。

そのメカニズムというのは、捨てることができないので、物が溜まっていきます。そして、溜まると収納スペースも当然ながらなくなっていきます。さらに、収納しきれなくなることで、物が溢れかえってしまうのです。その後、その物が溢れた状況を目の当たりにして、片付ける気力が削がれてしまうということです。

ただ、捨てられないという理由も、もったいないということだけが起因しているわけではありません。思い出としてとっておきたいので捨てられないということもありますし、買ったばかりだから捨てるわけにはいかないということもあるでしょう。

また、いつかまた使うかもしれないということや、人からの貰い物だから、高価なものだからということも、捨てられない理由として挙げられます。とは言っても、何でも捨てなくてはいけないというわけではないのです。

捨てる物を選別するというよりも、残しておくものを選別するという考え方をお持ちになるといかがでしょうか。誰しも捨てたくても捨てられない物というのがあるでしょう。そうした品物を1度手にしてみて、これからもとっておきたいと思えるものならば、残すことに決めれば良いでしょう。

しかし、1回しか袖を通していない服などは残しておく必要がありませんし、他の人にあげたら着るだろうかと考えてしまうような服も、捨てるべき対象となるのです。誰かにあげようという考えは、『もったいなくて捨てられない』ということの根本的な部分では何も変わっていないことにもなるからです。

人にあげようという考えは止めることが大事です。また、来季は着るだろうか?と思ってしまう服は残しておく必要はないでしょう。あまり必要性を感じていないこともあるからです。さらに、家の中で着ようかと思う様な服についても捨てても問題ありません。

本などもかさ張るものですが、読んでいる途中でやめてしまい、そのままになっている本や、読んだのは1度だけであり、読み返すことをしていない本は捨てても良いでしょう。反対に、これまで幾度にもわたって読み返している本は、自分が本当に好きで愛読している本だということになるので、残しておくようにしましょう。

物を使うべき時にはきちんと活用し、捨てるとなれば捨てるようにするという、けじめをつけることが大事なのです。『もったいない』の精神は良いものですが、ずっと捨てずにとっておくこと自体が物にとって良いことではないのです。

捨てるべき時にはきちんと物とお別れをしなければいけません。